ひと筋の路地に、菓子の記憶が生まれた
東京の小さな街角で生まれ育ちました。商店街の和菓子屋、夕暮れの豆腐屋のラッパ、夏の風鈴。馴染みの日常そのものが、五感の原風景です。
小学校の帰り、母が買ってくれた一個のシュークリーム。クリームの冷たさと、皮の香ばしさ。あの瞬間に「いつか自分も誰かをこの気持ちにさせたい」と願ったのが、すべての始まりでした。
銀座の華やかな十五年を経て、
私は、生まれた路地に戻ってきました。
人生で一番大切な「ありがとう」を、ひと口の菓子に託せたら。
そんな想いから、ひとつの小さなアトリエは始まりました。
東京の小さな街角で生まれ育ちました。商店街の和菓子屋、夕暮れの豆腐屋のラッパ、夏の風鈴。馴染みの日常そのものが、五感の原風景です。
小学校の帰り、母が買ってくれた一個のシュークリーム。クリームの冷たさと、皮の香ばしさ。あの瞬間に「いつか自分も誰かをこの気持ちにさせたい」と願ったのが、すべての始まりでした。
調理師学校を卒業後、迷わずパリへ。16区の老舗「Pâtisserie Jean-François」の門を叩きました。最初の半年は、皿洗いとバター刻みだけ。
そこで学んだのは、技術以前の姿勢でした。素材への敬意。時間の使い方。「美味しい」の手前にある無数の所作。3年間の研鑽は、その後の人生の背骨となりました。
帰国後、銀座の名店「Pâtisserie Blanche(ブランシュ)」に入店。10年目でシェフパティシエに就任し、その後5年間、ブランドの顔として商品開発からスタッフ育成までを担いました。
2018年、「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」日本代表選考会で準優勝。世界という尺度に触れたことで、逆に「自分の本当の表現は何か」を強く問うようになっていきました。
2024年春、生まれ育った街のひと筋の路地に、ひとつの工房を構えました。華やかな表通りではなく、土の匂いがする路地裏を選んだのは、「日常の中でこそ、菓子は物語になる」と気づいたからです。
ひと口で気持ちが解けるような、誰かを思い出すような、そんなひと皿を届けたい。長く磨いてきた技と、暮らしのまなざしを、ひと匙のなかに結ぶ。それが、「結 -YUI-」という店名の由来です。
果実、卵、乳、小麦。すべての主要素材は、生産者と直接対話したものだけを使用します。
素材の本来の味を覆い隠さない、最低限の甘さ。後味の余韻を、もうひとつのご褒美に。
その時期にしか味わえない菓子を。日本の四季を、皿の上に小さく再現してまいります。
祖父は谷中銀座近くの古書店主。下町の人情と季節の中で育つ。
在学中より製菓に没頭。卒業と同時にフランスへ渡る決意を固める。
パリ16区の老舗にて、生菓子・焼き菓子・飴細工まで幅広く学ぶ。
ブランド創成期からのメンバーとして、商品開発に参画。
商品開発・スタッフ育成・店舗運営の全領域を統括。
世界大会出場まであと一歩の悔しさが、新たな表現への原動力に。
故郷の街角にて独立。「ひと匙に、物語を結ぶ」を信条に。
今日も窯に火を入れ、
あなたを待っています。
— Ryo Sasaki, Chef Pâtissier